届出件数急増 食品リコール報告制度の課題を報告 PL研究学会🔒

PL(製造物責任)に関する総合的な研究を進めるPL研究学会(大羽宏一会長)の「製品リコール研究部会」が6月27日、東京都内で今年度第1回部会を開いた。当日は「食品リコールの実態と課題」及び「製品リコールと表示」について2人の研究者が報告した。いずれも消費生活の安全施策に密接に関連した内容で、それぞれ「リコール」の重要性と実効性、今後の課題が提起された。PL研究学会は研究成果を踏まえ、政策提言も検討していく。

PL研究学会製品リコール研究部会

オンライン併用で開催された製品リコール研究部会。食品リコール報告・公表制度の課題などが報告された(6月27日、東京都内にて)

当日の研究部会は会場参加とオンライン参加の2つの形態で実施。開催にあたりPL研究学会の大羽宏一会長が「当学会は製品の安全性確保の研究など、ハードウェアを対象に活動を展開してきたが、昨今、ソフトや食品の安全性などへの社会的関心も高まっている。これら分野へのPL対応についても検討を深めていく必要がある」と述べ、PL研究学会および研究部会として「食品のPL対応」や「食品リコール」についても研究していく方針を明らかにした。

当日は国立大学法人東京海洋大学教授の松本隆志さんが招かれ、「輸入食品のリコールに関する研究」を報告。昨年から施行された「食品リコール報告・公表制度」の課題などを説明した。

報告の中で松本さんは「食品ロス削減の社会的要請もあり、リコール案件を発生させないよう、日々、品質保証業務を充実・向上させていくことが食品業界では前提となっている。現在はリコールに備えたクライシスマネジメントも重視されている」と食品業界の現状を紹介。

その上で、リコール対応としては報告制度の活用と制度の周知が今後の事故防止対策の要になる、と説明した。食品のリコール情報の報告制度は事業者が自主的なルールで取り組んだときに行政機関に届け出るもので、事業者が都道府県に届け出たリコール情報を厚労省と消費者庁が公表する仕組み。ただ、松本さんは、報告される情報については厚労省と消費者庁とで報告分類内容に違いがあり……(以下続く)

(本紙「ニッポン消費者新聞」7月1日号より一部転載)

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