悪質事業者通報サイトに868件 年々増加 都が処分・指導実施

東京都はこのほど、「悪質事業者通報サイト」の2021年度実績をまとめ、悪質事業者に関する通報が868件(前年度654件)、誇大広告に関する通報が209件(前年度170件)寄せられたと発表した。都は通報をもとに行政処分1件(特定商取引法に基づく業務の一部停止命令)、行政指導47件(悪質事業者33件、誇大広告14件)、事業者名公表12件(架空請求)を実施した。

同サイトは消費者からの通報を通じて被害状況をいち早く把握し、迅速な指導・処分につなげる試み。2013年5月に立ち上げ、18年9月のリニューアル時に誇大広告の通報受付も開始した。リニューアル以降、通報件数が年々増加していて、取引指導課は「通報サイトの認知が広がったことで件数が増えた」と分析している。

868件あった悪質事業者通報では、半数近くが通信販売に関するもの。「代金を振り込んだのに商品が届かない」といった詐欺サイトや化粧品・健康食品などの定期購入契約に関する事例が寄せられた。次いで、訪問販売に関する通報が全体の四分の一あり、「トイレが詰まり、ネットで見つけた事業者に修理を依頼したら、高額な料金を請求された」などの事例が寄せられた。

一方、誇大広告通報では、209件中162件(約8割)がインターネット広告・SNS広告に関するもの。「月末までの期間限定キャンペーンを3か月間繰り返し行っている」「シミ・シワが改善、痩せたといった体験談が本当かどうか疑わしい」などの事例について、都が調査を進め、指導につなげた。

通報サイトは都の情報サイト「東京くらしWEB」内からアクセスでき、都内在住・在勤・在学者が対象。おおむね2年以内の事案について通報を受け付けている。取引指導課は「皆様からの通報が事業者の指導・処分につながる。ぜひ情報を寄せてほしい」と呼びかけている。

■リニューアル後の通報件数推移
  • 悪質事業者 18年度432件、19年度654件、20年度824件、21年度868件
  • 誇大広告 18年度74件、19年度133件、20年度170件、21年度209件
  • 架空請求 18年度2564件、19年度926件、20年度596件、21年度770件

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