「マイナ保険証」に断固反対 主婦連が義務化方針の撤回要望

主婦連合会(河村真紀子会長)は10月28日、岸田文雄総理や河野太郎消費者担当大臣などに対し、健康保険証との一体化が予定されている「マイナンバーカードの実質義務化」について、その撤回求める意見書を提起した。「一体化はかえってリスクを高める」と指摘している。

政府は、現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針だ。主婦連合会はその方針に「断固反対」とした上で、「マイナンバーカードについては規制や義務化、ポイント付与、保険証や運転免許証など他の証明書と一体化する手段ではなく、国民が十分に納得できる丁寧なプロセスをとることが重要」と主張した。

また、「健康保険証は日常的に持ち歩き、ひんぱんに手荷物から出し入れして使用する」「高齢者が使う機会が多いことも考え合わせると、他のものと一体化しないことこそ様々なリスクを回避できる」「このままではマイナ保険証の紛失や盗難、暗証番号の失念、暗証番号を何度も間違えることによるカード機能停止などの事態が発生、多くの市民に不安と不利益を与えることが必至」と指摘している。

政府は個人に付与する番号が1つであっても、利用する組織で分散管理していると説明しているが、主婦連は「G7をはじめ多くの国で義務化した共通番号制度の運用は挫折もしくは中止になっている」とし、
(1)マイナンバーカードの統一化の政府方針を撤回し、現行の保険証と併存させること
(2)行政による情報収集・管理・活用の過程で、個人情報流出・漏えい・悪意に基づく活用などが発生していることに鑑み、被害救済およびプライバシー権を保障するための制度を検討すること
(3)マイナンバーカードのデータ活用、紐付けを拡大しないこと
――などを求めている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」11月1日号より転載)

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