【豪州】入口の生鮮野菜で浪費を誘う? スーパーの戦術を深読み

豪州の消費者団体CHOICEはスーパーマーケットが用いる販売トリックを深読みする記事を掲載し、買い物時の浪費に気を付けるよう呼びかけた。消費者心理を巧みについた販売戦術の数々を紹介している。

一番目の戦術は、入店すると目に飛び込む生鮮食品売り場。山と積まれた新鮮で色鮮やかな野菜と果物は、消費者を気分良く買い物させる効果を生むという。マーケティングと消費者行動の専門家、マッコーリー大学のJana Bowden教授は「入口付近の生鮮食品売り場は、消費者自身のライフスタイルの選択が間違いではないことを認識させ、満足感を高める」と分析。「買い物の初期段階で新鮮な農作物を購入すると、その後、“罪深き喜び”であるスナック菓子をカートに入れることを許容するという一種の承認機能が働く」と解説した。

また、生鮮食品ゾーンでは、様々な床と照明を取り入れた解放的なレイアウトが施され、パンや魚、肉、総菜などが陳列される。これも購入を促す戦術で、ディーキン大学のポール・ハリソン博士は「一つの店舗にいながら市場にいるような感覚を生み出し、複数のお店を回っていると感じさせる。また、ベーカリーコーナーは、“我々がここで手作りしているのだから、我々を信頼してほしい”とアピールしているようなものだ」と分析した。

陳列棚の両端の「エンドキャップ」と呼ばれるディスプレイは、スーパーにとって金の卵を産む鶏のような存在。通常の棚にある商品よりも最大8倍も売り上げる可能性があり、大手ブランドが割増料金を支払ってでも陳列してもらいたい場所だ。

色のマジックにもスーパーの戦術が見え隠れする。カーティン大学のBilly Sung教授は「色に対する心理は複雑で、育った環境や文化に依存する」としながらも、いくつかの事例を紹介した。代表的なのが緑色で、「環境的で持続可能であると認識される可能性が高い」と指摘。同じく、「黒と金を一緒に用いると、商品が豪華でプレミアムであることを意味する」とした。赤と黄色は人目を引き、掘り出し物との関連性が高いとした。

さらに、Sung教授は最新の研究手法として、来店者の視線を追跡するテクノロジーを解説した。視線と瞳孔の大きさを分析し、どのような認知処理が行われているかを探るという。生体認証リストバンドで発汗レベルや心拍数を測定したり、MRIで脳の反応を調べたりする研究も進んでいるという。

記事では、パン、牛乳、卵の陳列場所を分けて配置するという古典的なトリック(買い物時間を少しでも長くするため)なども紹介された。CHOICEは「スーパーの販売トリックとトラップを理解すると浪費を防ぐことに役立つ」と注意を促す一方で、「“購入するともう一つ無料”などというトリックは、買い物客を高揚(ドーパミンを一時的に高く)させる。残念ながら最も知識の高い人でさえ、このトリックには脆弱だ」と白旗をあげている。

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