【米国】事故自動通報システムは無料提供を 車メーカーに要望

重大な交通事故が発生した際、位置情報などを自動で通報する「事故自動通報システム(ACN)」に料金を課している自動車メーカーが一部あるとして、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは4月19日、無料で提供するよう求めた。

同団体によると、ACNはGMのOnStarサービスが登場して以降、米国市場で広く浸透。欧州では2018年以降、新車への搭載が義務付けられている。エアバッグが開くほどの重大な交通事故が起きた際、車両の位置情報などを緊急通報する仕組みで、ドライバーが意識を失って自分で通報できない場合でも迅速な救命対応が可能になる。米国で毎年700人以上の命を救っているとの試算もある。

コンシューマー・リポートは18年以降、自動車メーカーに新車への搭載とサービスの無料提供を求めてきた。同団体の調査によると現在、13ブランドが少なくとも一部の車両で無料提供していたが、7ブランドが試用期間を設定し、それ以降は有料としていた。2ブランドはACNを搭載していなかった。

また、多くの場合、ACNをリモートロックやリモートスタート、ロードアシスタント、コンシェルジュサービスなどとバンドル(セット)していた。

こうした状況について、ワシントン大学医学部教授のEileen Bulger博士は、「ACNは全車に搭載を義務付けて無料提供すべきもの。なぜなら命を救う安全機能だからだ」と指摘。コンシューマー・リポートも「リモートスタートやWi-Fiスポット情報などの機能と人命を救う技術を同等に扱うべきではない。利便性を高める機能を有料にするのは構わないが、安全をオプションにしてはいけない」と強調した。

一方、自動車メーカーからは「継続的な更新や有人のコールセンター、ネットワークの維持・管理など運用コストが必要だ」との声が寄せられたという。

命を救う技術に対するコストを誰が負担するのか、メーカーごとに異なるシステム運用でいいのか、など課題が山積しているが、ヒュンダイが最近、2024年以降に販売する新車にACNを無料搭載すると発表した。同社広報担当者は「購入者への特典として無料で提供することは正しいことであり、長年にわたる当社のブランドDNAとも考え方が一致している」とコメント。さらに「コンシューマー・リポートが発信する情報が私どもの意思決定プロセスの1つとなった」と回答したという。

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