特商法、抜本改正を 新手の悪質手口への柔軟対応を要望 消団連

全国消費者団体連絡会(東京都千代田区)は6月15日、特定商取引法の速やかな抜本的改正を求める意見書を消費者担当大臣や消費者庁長官などに提出した。同法は頻発する消費者トラブルの発生に応じて改正や対策が図られてきたものの、行政の窓口に寄せられる消費生活相談の大半が依然として特商法分野のものとなっていた。全国消団連は「急速に進展する社会に対応できる、抜本的な改正が必要」だとして、速やかに検討の場を設けるよう求めている。

特商法(前身は訪問販売法)は消費者トラブルが発生しやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールなどを定めたもの。消費者庁は被害の発生状況を精査しながら改正や見直しを図っており、近年は詐欺的な定期購入商法、送り付け商法、悪質住宅リフォームなどへの対策が講じていた。

しかし、年間85万件の消費生活相談のうち約55%を特商法分野が占めるなど、依然として同分野での被害が多発。全国消団連は「法改正により措置されたにもかかわらず定期購入の被害も増加傾向にある」としたほか、訪問販売・電話勧誘販売による高齢者被害、マルチ商法による若年層被害も後を絶たないと指摘した。

さらに、デジタル化の進展とともにSNSを介した匿名性の高い悪質勧誘による被害も増えているとし、「不断に特商法改正を行い続けることが必要」、「新たな消費者被害に柔軟に対応できる特商法が必要」、「急速に進展する社会に対応できる、抜本的な改正が必要」などと要請。消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長、国民生活センター理事長に意見書を提出し、早急に検討手続きに入るよう求めた。

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