日本生協連、エシカル商品拡大 「社会に良いこと一つでも」実現

日本生活協同組合連合会が注力するエシカル消費対応商品の販売が好調だ。2023年度の総供給高(売上高)は前年度比13%増の2570億円と過去最高を見込む。24年度からは食品ロス削減商品もエシカル消費対応商品として展開する方針。2月6日に開かれた記者会見で、藤井喜継代表理事事業担当専務は「エシカルを意識しながらコープ商品をリニューアルしている。何か一つでも世の中にとって良いことをコープ商品の中で実現していく。その結果として販売が増えている」と説明した。

エシカル消費対応商品成長を牽引するのはエコマーク商品とFCS認証商品。昨年5月に日本国内製造のプライベートブランドでは初となるアラスカのRFM認証エコラベルをつけた「CO・OPぶっかけ紅鮭いくら丼」を発売。昨年9月にはバイオマス割当プラスチック使用で初のエコマーク認定商品となる「CO・OP味付のり」を発売するなど、エシカル化を進めてきた。

また、旗艦ブランド「コープサステナブル」シリーズは23年度末に228品へと拡大。新たに食品ロス削減商品として、規格外だったバナナを使用したパンと食品原料を無駄なく使ったフルーツゼリーを昨年9月に発売し、大好評を得ているという。

こうしたコープ商品のエシカル化について、藤井専務は「組合員に支持されているコープ商品をエシカルにできないか、という視点で進めてきた。価格を上げずに全体のボリュームを増やしながらエシカルにしていくということを意識的にやっており、環境、労働者、プラスチック対応など世の中にとって一つでも良いことをエシカルと定義しながらコープ商品の中で実現させている」と戦略を語った。日本生協連は「コープ商品の2030年目標」の達成に向けて取り組みを加速させる方針だ。

(本紙「ニッポン消費者新聞社」3月1日号より転載)

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