重大製品事故増加 ノートPCとスマホの安全規制も視野に

2008年をピークに長らく減少傾向が続いていた重大製品事故件数が増加に転じた。2017年は873件と、前年比59件の増加。リチウムイオンバッテリーを搭載したノートパソコンやスマートフォン、品質の劣る輸入電動アシスト自転車などが事故件数を押し上げた。ノートPCとスマホについて、経済産業省は「事故件数の増加が止まらない」とし、安全規制も視野に今後の動向を注視するとしている。

産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会製品安全委員会及び消費経済審議会製品安全部会合同会議

重大製品事故件数が報告された製品安全に関する経産省の合同部会(19日午前)

3月19日に開かれた産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会製品安全委員会と消費経済審議会製品安全部会の合同会議で報告された。

国への報告が義務付けられている重大製品事故(火災や死傷を伴う事故)は、2008年の1424件をピークに減少傾向が続いていた。ところが17年は前年比59件増の873件と、5年ぶりの増加となった。事故件数を押し上げた製品はノートPC、スマホ、住宅用太陽光発電器、電動アシスト自転車、温水洗浄便座、電気ストーブなど。特にノートPCは11件増の36件、スマホなどの携帯機器は9件増の23件と急増していた。

ノートPCとスマホの事故について、経産省は「購入から3~7年ほど経過した製品で内蔵リチウムイオンバッテリーからの火災が多発している」と警戒感を示し、事故の原因究明や再発防止対策の調査に入る考えを表明。安全規制も視野に今後の事故動向を注視していくとした。

経産省は2月1日、モバイルバッテリーを電気用品安全法の規制対象に加えるなど、リチウムイオンバッテリー搭載機器への安全対策を急いでいる。ノートPC、スマホ、モバイルバッテリーの3製品による重大製品事故は、13年の11件から17年の80件へと急増していた。

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