食安委、ノロウイルスの知見取りまとめ 対策の難しさ再認識

食品安全委員会の専門調査会は10月19日、ノロウイルスに関するリスクプロファイルの最終案を取りまとめた。食中毒対策として、手洗いの徹底や食品製造・調理者の健康状態の確認などを求める一方で、リスク評価の基礎となる多くの知見・データが不足していると報告。生食用カキについても現行のリスク管理措置が十分な効果を上げるまでには至っていないと指摘した。ノロウイルス食中毒の発生がピークを迎える年末年始を控え、11月中には最終案を食品安全委員会に報告し、公表したいとしている。

ノロウイルスに関するリスクプロファイルは今回が第3版。これまではカキを中心とした二枚貝による食中毒が問題視されてきたが、近年は食品従事者による二次感染事例が多発。さらに食中毒だけでなく、人から人へと感染する集団胃腸炎が社会問題化しており、こうした状況の変化に対応した。

ノロウイルス食中毒はカンピロバクター食中毒とともに件数が多く、集団発生が多いことも特徴。2017年の患者数は8496人で(厚労省の食中毒統計)、同年2月に起きたきざみのりによる集団食中毒では、のりを食べた4209人のうち1193人が発症した。

ノロウイルスを巡っては、各国で様々な対策が講じられているが、現在も実用可能なウイルス培養方法が見つかっておらず、リスク評価に必要なデータが不足している状況。リスクプロファイルでは国内外の最新知見を網羅するとともに、リスク評価の基礎となるデータの種類を明示し、国や事業者に情報収集とその分析を求めた。最終案をまとめるにあたり、委員からは「ノロウイルスの対策は簡単ではないということを、改めて明らかにした内容だ」などの意見が出た。食品安全委員会は今後、リスクプロファイルの周知と活用を呼びかけていく方針だ。

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