実効性問われる山菜の出荷制限、今年も多い放射性物質基準超過

厚労省は5月13日、原子力災害対策本部長指示として茨城県に対し、同県6市で採れた山菜「こしあぶら」に対する出荷制限の設定を指示したと発表した。一方、同日には、岩手県のドライブインで販売された「こしあぶら」について、販売事業者が自主回収に着手したことが消費者庁のリコール情報サイトで公表された。基準値超過の「こしあぶら」のほとんどが、すでに消費されたとみられる。

食品の放射性物質の基準値は1キログラムあたり100ベクレル。出荷制限を受けた茨城県の6市では、120ベクレルから627ベクレルもの間で検出された。岩手県での自主回収販売品は260ベクレルだった。「こしあぶら」は中部・東北地方では春の山菜の代表格。タラの木よりも高さのあるこしあぶらの木の芽だ。少し苦味の混じった柔らかい触感を持ち、天ぷらはじめ、おひたしや鍋物などしょうゆ味の煮込みでも人気もの。

基準超過の検査結果が出たのは4月23日から4月26日。公表及び出荷制限が指示されたのは5月13日。今年は大型連休中までが食べ頃だったため、何のための出荷制限、自主回収か、実効性が問われる対応となっている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. ミツカン味ぽん
    ミツカンが1970年代から提案を続けている「焼肉×味ぽん」が最強の組み合わせであることが、味覚センサc
  2. トウモロコシ
    米国の消費者団体コンシューマー・リポートが「驚くべき健康効果を持つ7つの食品」の一つとして、ポップコc
  3. 消費者庁
    消費者庁は1月1日に発生した能登半島地震に関連した消費生活相談について、地震発生後1カ月間(1月1日c
  4. 日本生活協同組合連合会
    日本生活協同組合連合会が注力するエシカル消費対応商品の販売が好調だ。2023年度の総供給高(売上高)c
  5. 英国の消費者団体Which?
    獣医療業界の価格設定や治療に関する情報が不透明で、消費者が最善の決定を下せる状況にないとして、英競争c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る