栄養成分表示「活用方法わからない」4割 静岡県「普及が必要」

2015年4月に包装した加工食品への表示が原則義務付けられた「栄養成分表示」について、4割近くの人が「活用したいが、活用方法や見方がわからない」と回答していることが、静岡県のアンケートでわかった。栄養成分表示は5年間の猶予期間が設けられているが、来年4月からの本格実施が迫っている。県はパンフレット等を活用して普及活動を続ける必要があるとしている。

栄養成分表示

加工食品に表示されている栄養成分表示の例。現在、猶予期間中のため表示されていない食品もある

調査は7月~8月にかけて、県政インターネットモニターを対象に食の安全・安心について聞き、596人が回答した。

調査結果によると、食品表示を「必ず確認している」人は22.5%、「どちらかといえば確認している」人は51.2%となり、7割超の人が食品を購入する際、表示を確認していた。確認している項目は賞味期限・消費期限(80%)、原料原産地(77.9%)が上位。一方、確認していないとの回答者(26.3%)に理由を聞いたところ、見方がよくわからない(29.3%)、興味がない(28%)などが上位となった。

カロリーなどが記載されている栄養成分表示を活用したいか聞いたところ、「すでに活用している」が40.9%で最も多かったものの、「活用したいが、活用方法や見方がわからない」も39.8%とほぼ同じ割合だった。残る19.3%の人は「活用したいと思わない」と答えた。

食品表示については74%の人が信頼できると回答。一方で、レストランのメニュー表示については、食材や産地について「不審に思ったことがある」との回答が45%にのぼった。そのほか、安全な食品を製造するための衛生管理の手法であるHACCP(ハサップ)について、46.8%の人が「名称も意味も知らない」と回答し、GAP(農業生産工程管理)については71.3%の人が「まったく知らない」と答えた。

県は調査結果を今後の施策に反映する方針。2021年6月1日に完全施行されるHACCPについては「食品等関係事業者のみならず広く一般消費者に啓発することで、食の安全性に関する県民の信頼度の一層の向上に努めていく」としている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. U.S. PIRG
    米国の非営利団体U.S.PIRGは3月18日、ホテル業界に対し、プラスチッ製アメニティグッズから脱却c
  2. 厚生労働省
    厚生労働省のまとめによると、2023年の食中毒発生件数は前年比59件増の1021件で、19年(106c
  3. 2023年度第4回東京都商品等安全対策協議会
    昨年4月に自転車利用時のヘルメット着用が全年齢で努力義務となったことを踏まえ、東京都商品等安全対策協c
  4. 消費税
    米スーパー大手のターゲットは3月14日、アイテム数を10個以下に制限した「エクスプレス・セルフチェッc
  5. 東京消防庁
    歩きながら、もしくは自転車に乗りながらスマートフォンの画面を見たり操作したりする「歩きスマホ」の事故c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る