【英国】航空大手BA、乗客1人当たりのCO2排出量多め

英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の乗客1人当たりの二酸化炭素排出量が、ライバル会社と比べて多いことが、環境影響を分析するFlyzen社の調べでわかった。これを受け、英国の消費者団体Which?は「航空会社を比較して環境にやさしいフライトを心がけてほしい」と消費者に呼びかけた。

Flyzen社は一般的な6つの航路について、航空会社ごとのCO2排出量を比較。その結果、BAは4つの航路で排出量が最大となった。

例えば長距離航路。ロンドンのヒースロー空港から米国マイアミまでの乗客1人当たりのCO2排出量は1.13トンにのぼり、ヴァージン・アトランティック航空(0.86トン)よりも544キロ(一般家庭の2か月分の消費電気に相当)多かった。短距離フライトでも差が大きく、ロンドンのスタンステッドと地中海に浮かぶパルマ・デ・マヨルカをつなぐ航路のCO2排出量は、BAが1人当たり160キログラム、対する格安航空会社ライアンエアー(Ryanair)やJet2などは109キログラムだという。

BAは幅広の古い機体を多く保有するほか、ビジネスクラス・ファーストクラス用のゆったりとした座席を多く設けるため、1人当たりのCO2排出量がライバル会社と比べて多くなる傾向があるという。Which?は「飛行機は離陸時に大量の二酸化炭素を排出する。消費者は直行便もしくは最短ルートの便を選び、短距離の場合は陸路を検討してほしい」と強調。海に囲まれた英国にはヨーロッパ大陸へとつながる高速鉄道ユーロスターがあり、「これならCO2を9割も減らせる」と推奨した。

BA広報はWhicih?に対し、「現在、環境にやさしい新型航空機を40機以上導入したが、全体で280機以上を運用しているため、切り替えに時間がかかる」と回答している。

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