学生が広告調査、半数が違反疑い 「ほうれい線消えた」など

怪しい広告を見抜く目を養ってもらおうと、埼玉県が実施している「大学・高校連携による不当表示広告調査」の2019年度結果がまとまった。

今回は県内の6高校と1大学が参加し、学生から407事業者、計1464件の広告表示の報告があった。そのうち208事業者について不当表示のおそれが確認され、美容、ダイエットなどの事例が上位を占めた。県は「こうした分野の広告が若者の身近に非常に多くあることがうかがわれる」と分析している。

調査に参加したのは浦和、大宮南、桶川西、川越西、所沢北、昌平の6高校と城西大学薬学部医療栄養学科の学生ら計1551人(うち大学生105人)。景表法や不当表示に関する説明を受けた後、インターネットやSNS、新聞・雑誌、折込チラシなど身の回りの広告を調査し、今年1月までに406事業者の1464件の広告表示を県に報告した。

県の調べでは、半数を超す208事業者(407件)について不当表示のおそれが確認され、商品別では「美容」126件、「ダイエット」104件、「健康」85件が上位を占めた。主な違反疑い事例は「高カロリー食を1日何食食べても、摂取したカロリーを0kcalに変える」、「高級化粧品でも消えなかったクッキリほうれい線が、たった2週間でピント消えちゃいました!」など。報告した学生らは「ほうれい線が2週間で消えてしまうということはあり得ない」などと指摘したという。

県は報告をもとに調査を進め、ダイエットサプリを販売していた通販業者1社に行政処分を実施。25事業者に文書による行政指導を行った。調査事業は今年度も実施する予定で、現在、協力校を募集している。

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