米非営利団体、RCEPに辛口論評 「世界経済に影響なし」

ASEAN10カ国と日中韓など計15カ国が署名した「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」について、米非営利団体のパブリック・シチズンは11月15日、「世界経済と世界人口の約30%をカバーする自由貿易協定だと誇大宣伝されているが、世界や米国の経済に与える影響は小さい」とする辛口の論評を発表した。TPP(環太平洋経済連携協定)とは異なり、貿易に関する制限が多いほか、インドが離脱した影響も大きいと分析している。

同団体は、RCEPを主導したのは中国ではなくASEANだとし、内容についても「すべての商品を対象としたり、関税を完全撤廃したりするわけではなく、主要農産物が除外されるなど制限が多い」と指摘。「サービス貿易部門も包括的ではなく、物議を醸した投資家対国家紛争処理制度(ISDS)も除外された」とし、「比較的緩やかな貿易協定」だと説明した。製品基準の統一、強制力のあるデジタル取引規制、国営企業規制などが設定されなかったことも影響力の小ささにつながる、とした。

さらに「インドが離脱したことも世界と米国の経済にほぼ影響を与えない理由の一つだ」と強調。参加国同士がすでに貿易協定を締結していることも理由にあげた。一方、RCEPの成果としてあげたのが「原産地規則(ROO)」で、「参加国の二国間もしくは多国間協定のROOに取って代わるものだ」とした。

RCEPは今後、参加国内の承認手続きを経て発効されるが、「国を二分して議論されることもなくスムーズに進むだろう」と予測。この点も「米国が離脱する運命となったTPPとは対照的だ」と論評している。

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