米HP「月15枚まで生涯無料」プラン中止に 批判相次ぐ

パソコン機器大手の米ヒューレット・パッカード(HP)がプリンター関連のサブスクリプション(定額利用)プランの一部を終了した問題で、ユーザーから批判が相次いでいると12月3日、米消費者情報誌コンシューマー・リポートが伝えた。プランを宣伝する際に「生涯無料(free for life)」をうたったこともあり、ユーザーからは「冗談だろ?」「無料プランのためにHPのプリンターを購入したのに」などの声があがっているという。

問題のプランは「FreeInk for Life」。印刷枚数に応じて課金し、インク残量が少なくなると交換用インクを届けるというサブスクサービス「HP InstantInk」の料金プランの一つで、「月15枚までなら無料で印刷できる」という特典が目玉となっていた。

プランの適用条件として、クレジットカード払いと広告の受け取りに同意する必要があり、5枚印刷するごとにプリンターから広告が届く仕組み(広告の印刷は枚数に含まれない)。HPは3年前に「生涯無料」などとうたって同プランを開始したが、今年10月に中止を発表。ユーザーに対し「月15枚以内でも0.99ドルの料金を請求し、支払いがない場合は印刷できないようになる」とするメールを送信していた。コンシューマー・リポートによると12月4日現在、すでに課金されているという。

同社は同プランの中止とともに新プランを公表。未使用分の翌月繰り越しの充実や対象プリンター購入時の6カ月インク代無料などの特典を充実させたとしている。

コンシューマー・リポートは「新プランの料金は比較的低価格となっているが、生涯無料プランに誘導されて同社製プリンターと同社サブスクプランを契約した消費者は多い」と指摘。SNSやフォーラムに投稿されたユーザーのいら立ちの声や、「同社の契約内容に合意し、無料となる条件の範囲内で使っていた消費者にとって、一生無料を期待するのは当然のことだ」とする専門家の意見を紹介した。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 松永和紀さん
    ◎大阪消団連主催の講演会で 「今回の制度改正では再発防げない」と指摘 食品安全委員会委員を務める科c
  2. オーストラリア競争・消費者委員会
    オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は9月23日、スーパー大手のウールワースとコールズの豪州c
  3. キッズデザイン賞
    ◎消費者担当大臣賞は「キッズフリマ」が受賞 子どもの視点を持つ優れた製品や施設、取り組みなどを表彰c
  4. 東京都商品等安全対策協議会
    水辺のレジャー中の水難事故が毎年発生していることを受け、東京都は9月19日、都商品等安全対策協議会(c
  5. コンシューマーリポート
    入浴中の赤ちゃんの死亡事故が発生している「乳児用首浮き輪」を巡り、米国消費者製品安全委員会(CPSCc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る