消費者は習慣的に「OK」をクリックする ダークパターンを議論

消費者を不要な買い物へと誘導する欺瞞的なサイト設計「ダークパターン」を巡り、米消費者団体コンシューマー・リポートは6月4日、米連邦取引委員会(FTC)に提出した意見書を公開し、取り締まりの強化や懲罰的罰金の導入などを求めたことを明らかにした。FTCはダークパターンの実態把握や規制のあり方などに関心を示しており、4月にはワークショップを主催し、事業者やIT専門家、弁護士らと議論。その後、5月29日を期限とした意見募集を行い、各方面からの情報提供を呼びかけていた。

コンシューマー・リポートは意見書の中で「消費者は注意力が限られている上、習慣的に“NO”よりも“OK”をクリックする傾向がある。ダークパターンはこうした行動を悪用し、不要な契約へと誘導している」と指摘。連邦取引委員会法第5条(セクション5)に基づき、取り締まりを強化するとともに、FTCの権限拡大、違反行為への民事罰(懲罰的罰金)の導入などを求めた。

同団体の調査では、スマートテレビ契約、料理宅配アプリ、SNS、ホテル予約、チケット売買など多数のサイトでダークパターンが見つかった。また、2019年に行われたプリンストン大学の調査では1万1000件のショッピングサイトのうち1800件からダークパターンが確認され、その多くが消費者を欺く違法行為をしていたという。

コンシューマー・リポートは「ダークパターンは脆弱な消費者に影響を及ぼし、コロナ禍でのオンライン取引の拡大により、遭遇する確率が上がっている。この時期にFTCが行動を起こすことは非常に重要だ」と訴えている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. コンシューマーワイド 食品ロス問題は持続可能な未来を目指す国際社会の課題になっている。SDGsは1c
  2. unicharm
    消費者共創と協働 夜用のショーツ型ナプキンの昼用として10月に発売した。商品名は「ズボンを脱がずにc
  3. ニッポン消費者新聞2025年1月1日号
    特集 悪質商法対策プロジェクトチーム 消費者庁が立ち上げ、高市首相の国会答弁ウケ ~関c
  4. 消費者庁
    食品の流通量が増える年末に向けて、消費者庁は都道府県と連携して年末一斉取締りを実施する。年末一斉取りc
  5. 除雪機の事故
    冬シーズンが始まる12月に、除雪機の事故が多発しているとして、NITE(製品評価技術基盤機構)が注意c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る