【米国】日焼け止めに発がん物質ベンゼン コパトーンが回収

◎7月にはJ&Jも

米コパトーンは9月30日、米国内で販売したスプレータイプの日焼け止め製品の一部ロットを自主回収すると発表した。発がん性物質ベンゼンが含まれていたため。米食品医薬品局(FDA)も同日、リコール情報を発信してベンゼンの有害性を警告する一方で、「日焼け止め自体は公衆衛生上の利点があり、帽子やサングラスなどの日焼け保護手段とともに適切に使用することを強く勧める」と消費者に呼びかけた。

リコール中のコパトーン日焼け止め

低濃度のベンゼンが検出されたコパトーンの日焼け止め。使用を中止し廃棄するよう呼びかけている(コパトーン社リコールサイトより)

日焼け止めを巡ってはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が今年7月、低濃度のベンゼンが検出されたとして、AveenoおよびNeutrogenaブランドの5製品のリコールを発表していた。なぜベンゼンが混入したのか、J&Jは現在、調査を進めているという。

コパトーンが自主回収するのは今年1月10日から6月15日までに製造した「コパトーン ピュア&シンプル SPF50 5.0オンスエアゾール日焼け止めスプレー」など5製品、計12ロット。使用を中止して適切に廃棄するよう呼びかけるとともに、申し出フォームを設置して返金対応を実施している。

FDAはベンゼンについて「ヒトへの発がん性物質に分類されており、吸入、経口、皮膚を通じて曝露する可能性がある。曝露レベルによっては白血病などのがん、骨髄の血液がん、生命の危険のある血液疾患のリスクが高まる可能性がある」と警告。一方で、日焼け止めから検出されたベンゼンは低レベルだとして、問題の製品を毎日使用しても健康に悪影響を及ぼすものではないと強調している。

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