アサヒビール、6缶用「エコパック」初採用 再来年本格展開へ

スーパードライでテスト販売 紙の使用量大幅削減

アサヒビールは10月15日、6缶パックの紙の使用量を大幅に削減した新資材「エコパック」を採用すると発表した。同19日から同資材を使用した「アサヒスーパードライ エコパック」を一部店舗でテスト販売し、検証の結果を踏まえて、2023年からの本格展開を目指す。容器・包装において省資源化の取り組みが世界中で加速する中、環境負荷を低減する資材を積極活用して、SDGsの達成と持続可能な社会の実現に貢献したいとしている。

アサヒビール「エコパック」

新資材の「エコパック」は缶の上部のみ固定する紙資材で、缶容器の6缶パックとしては日本初展開。19日から「アサヒスーパードライ エコパック」をドラッグストア「ウエルシア」「ハックドラッグ」、スーパーの「ライフ」(首都圏)の一部店舗にてテスト販売し、消費者の購入意向や使い勝手などを検証していく。

「エコパック」を採用することで、従来の6缶パック資材と比べて、使用する紙の面積が350ミリリットル缶の6缶パックで77%、500ミリリットル缶の6缶パックで81%削減できる。また、使用する紙の重量は350ミリリットル缶の6缶パックで65%、500ミリリットル缶の6缶パックで73%の削減を実現できる。

同社が製造する6缶パックすべてを新資材に切り替えた場合、年間で紙の使用量を約8800トン、資材製造に伴う二酸化炭素排出量を7400トン削減できる見込み。テスト販売の結果を踏まえ、2023年以降、幅広い流通での展開や「スーパードライ」以外のブランドにも採用するなど本格展開を目指す。本格展開に向けて9億円を投資し、茨城工場などで量産化に必要なパッケージング設備の導入を進める予定だ。

アサヒビールが使用する6缶パック資材は年間およそ4.6億枚。1995年に6缶パックを採用して以降、軽量化を進め、当初、紙の重量が1枚当たり34.6グラム(350ミリリットル缶用)あったが、16年には27グラムにまで削減していた。

(本紙「ニッポン消費者新聞」11月1日号より転載)

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