CI、ネット通販製品の安全指針策定 グローバルな規制を要求

世界各国の消費者団体で組織する国際機関「国際消費者機構」(CI、本部・ロンドン)は12月1日、「オンライン製品の安全性ガイドライン」を発表した。インターネット上で流通する製品の安全性について、当局による監視・規制のない国が多いなどと指摘し、店舗販売取引などと同水準の安全対策を各国政府や関係企業に求めた。CIは「パンデミックによって世界の電子商取引の売上高が拡大しているが、危険な製品から消費者を守る対策が遅れている。グローバルで協調的なアプローチが求められている」と呼びかけた。

CIが2019年に実施した89カ国調査によると、オンライン市場の製品安全について規制のない国が40%にのぼった。また、プラットフォーマーと連携して危険な製品を排除する仕組みを持つ国は10%未満と少なく、当局との専用連絡窓口を設けているプラットフォーマーも12%にとどまるなどしていた。

CIはこうした現状について「オンライン上の製品安全は緊急に対処すべき問題であり、グローバルに合意された具体的な仕組みが必要だ」と指摘。次の5項目の対策を求めた。

(1)オンライン上の製品が消費者の安全と健康を脅かさないようにするための対策を取る

(2)オンライン上の製品の安全性レベルをほかの商取引よりも低くしてはいけない

(3)オンライン上の製品は販売される国や地域の安全規制に準拠する必要がある

(4)オンライン通販事業者は販売する製品の安全確保に向けて、より大きな責任を負う必要があり、規制当局は事業者に責任を負わせる必要がある

(5)オンライン通販事業者は事業を行うすべての国において製品の安全性に関して高い基準を採用する必要がある

CIは「現在のデジタル市場は、オンライン上の製品の安全性と透明性が欠如している。ガイドラインは消費者の権利とニーズを反映させたものであり、消費者の信頼構築に向けて各国政府と企業に行動を求める」と強調。「オンライン市場は消費者にこれまで以上の利便性と選択肢を提供することに成功した」として、今後の健全な成長に期待を寄せた。

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