有料老人ホーム協会が相談会 「突然食費を値上げ」など81件

公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協、東京都中央区)が10月12日から14日までの3日間開催した「2021年度有料老人ホームなんでも相談会」の相談結果がまとまった。3日間の相談受付件数は81件。入居者からの入居ホームに関する苦情が約2割近くを占めた。

有老協によると、ホームに関する問い合わせが約8割と多かったものの、その中には入居環境に関する重大案件もあり、苦情に発展する可能性も指摘された。食費の値上げについては次のようなとまどいを示す苦情の声も寄せられた。

「母が入居している特別養護老人ホームで突然8月から食費を値上げされた。これまでより2倍になった。あまりにひどい」

これに対し、有老協では、次のように回答。「有料老人ホームでは月額利用料の変更について、有料老人ホーム設置運営標準指導指針で利用者の改定ルールを明らかにしておくこと、改定にあたっては根拠を入居者に明確にすること、と規定されている。設置者が独断で値上げする行為は指導指針違反になるほか、消費者契約法上違反になるおそれがある。だがホーム運営事業者が契約書面で、○年に1回料金改定をすることができる、運営懇談会の意見を聴く、合理的な理由を示すなどと記載している場合には、入居者は契約上、この条件を合意しているものとみなされる」とした。

契約上に記載された手続を踏まえていれば、入居者の同意なく、事業者は料金の改定を実施することができるといい、「入居者は契約書を確認しておく必要がある」としている。

その他にもホーム入居者から「隣室のタバコの煙や臭いが部屋に入る」「隣室のラジオ等の騒音に悩まされている」などの相談も目立った。

有老協ホームページでは最新の相談事例とその回答を追加・更新している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  2. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  3. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  4. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc
  5. 警察庁
    警察庁がまとめた生活経済事犯の検挙状況によると、2023年に全国の警察が摘発した特定商取引等事犯は前c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る