【米国】竹レーヨンは環境に優しくない 当局が小売2社を提訴

バンブー(竹)レーヨン製の枕カバーやシーツなどに「環境に優しい工程で作った」などと記載したのは欺瞞的な環境表示(いわゆるグリーンウォッシュ)に当たるとして、米連邦取引委員会(FTC)は4月8日、小売り大手コールズとウォルマートを相手取り、それぞれ250万ドルと300万ドルの罰金支払いと表示の停止を求めて地方裁判所に提訴した。この分野としては過去最大の罰金額で、FTC消費者保護局は「誤った環境表示は消費者と法を順守する企業の両方に害を及ぼす」と警告している。

FTCによると、竹繊維を用いてレーヨンを製造する際、有害な化学物質を使用する必要があり、その過程で様々な大気汚染物質が排出される。

しかし、2社はバンブーレーヨンを使ったプライベート商品のベッドシーツや枕カバー、タオルなどに「有害な化学物質を含まず、クリーンで毒性のない材料を使用して(製造した)」、「再生可能な竹を混合し、環境に優しい使用を約束する」などと環境メリットを表示。さらに商品名や製品概要欄で竹繊維製であることを強調していたが、実際は綿やポリエステルとの混合で、中には「ポリエステル60%、竹40%」のものや混合割合を記載していないものがあった。

竹を用いたレーヨン製品を巡っては、2000年代に「環境に優しい」「生分解する」「竹由来の抗菌性がある」などの不当表示が横行。FTCが2010年、小売り78社に表示の停止を求める警告書を送付するなどしていた。当時の消費者保護局は「環境配慮をアピールしようと製造工程のどこかで竹繊維を用いたとしても、レーヨンはレーヨンだ」と指摘していた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 国民生活センター
    国民生活センター「訪日観光客消費者ホットライン」の2024年度相談件数は513件で過去最多だった。商c
  2. アンケート調査
    2020年7月のレジ袋有料化から5年が過ぎたことから、NPO法人コンシューマーズ京都(京都消団連)はc
  3. 東京都消費生活総合センター
    東京都と都内消費者団体が連携して開催する「くらしフェスタ東京2025」の詳細が決まった。今年度のテーc
  4. 主婦連合会
    食品の相次ぐ値上げなど物価高が止まらない中、主婦連合会は9月10日、物価高対策の速やかな実施を求めるc
  5. アメリカ消費者連盟(CFA)は9月11日、米国の消費者が抱える1兆6600億ドルの自動車ローンが限界c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る