家電PLセンター、相談受付状況公表 拡大損害事故相談が減少

家電製品の事故をめぐる裁判外紛争解決機関「家電製品PLセンター」(永関雅史センター長)によると、2021年度に受け付けた相談件数は前年比8%増の1765件と増加した。昨年度は二度の緊急事態宣言があったが、同センターは2回目(1-3月)の宣言時に相談受付業務を続行。前年度と比べて業務休止期間が短くなり、相談件数の増加につながった。

永関雅史センター長

永関雅史センター長

相談内容別では、被害が製品にとどまる「非拡大事故」の相談が前年比31%増の67件と増加する一方で、被害が生命や人体、財産に広がる「拡大損害事故」は17%減の133件と減少した。また、斡旋手続きに至った案件はなかった。斡旋ゼロ件は1995年の設立以来、初となる。

拡大損害事故に関する相談では、洗濯機が25件と最も多く、以下、ルームエアコンが12件、パソコン(タブレット含む)が6件と続いた。

洗濯機の主な相談内容は水漏れ、洗濯物の破れ、製品の振動による壁などの周囲破損。「2階に設置していたドラム式洗濯乾燥機を地元の修理業者に2回修理してもらった後、運転中に扉が開いて水漏れし、壁などに被害が及んだ」、「洗濯機が音を立ててあばれた。電源コードを抜いて止まったが、住宅にも被害が出た」などの事例が寄せられた。エアコンは水漏れ、パソコンは発火に関する相談が目立った。

一方、非拡大損害事故では、エアコン(11件)、テレビ(9件)、パソコン(5件)が上位を占めた。それぞれ電気部品の過熱などによる発煙・発火の相談が寄せられた。

相談者別では、一般消費者からの相談が1260件と全体の71.4%を占め、次いで消費生活センターを主とする行政からが437件で24.8%を占めた。一般消費者のうち行政の紹介による相談が60%を占めるなど、全体の70%が行政を経由した相談になっていた。

同センターはホームページに相談受付状況や事故相談事例、FAQを公表し、紛争解決、事故の未然防止に注力。今年1月には全国消費生活相談員協会の機関誌に、同センターの活動概要を紹介するなど広報活動にも力を入れている。

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