健康食品 基礎疾患者の7割が専門家に相談せず 都がアンケート

東京都は1月19日、「健康食品に関する意識や認知度」についてのアンケート調査結果を公表した。健康食品の利用状況や利用目的、健康被害の有無、トクホや機能性表示食品などの認知度など20項目を尋ねたもので、体調不良を感じる人が少なからずいることがわかった。都は調査結果とあわせて啓発パンフレットや専門サイトを紹介し、安全で適正な利用を呼びかけた。

調査結果によると、健康食品を「現在利用している」人は37.7%、「一度も利用したことがない」人が34.0%、「以前利用していたが現在は利用していない」人が28.3%となった。

「利用している」「利用していた」と回答した人のうち、利用当時、基礎疾患のある(あった)人は41.5%で、そのうちの68.9%が健康食品を利用する前に「専門家には相談していない」と答えた。

健康被害の有無を問う項目では、健康食品を利用してかゆみや発疹、下痢などの体調不良を感じたことがあるかとの問いに対し、「ある」が5.5%、「確信が持てないがある」が11.5%だった。自由意見では「各製品に摂取過多、多種類摂取のリスクをもっと大きく表示するべきだと思う。自身の経験から一度全てのサプリメント を中止したところ肝臓の値が劇的に改善した」との声も寄せられた。

そのほか、制度化されている健康食品(保健機能食品)の認知度も調べた。「知らない」(「名前は聞いたことがあるが、どのようなものかは知らない」+「名前も聞いたことがない」)との回答の割合は、特定保健用食品(トクホ)が53.5%、栄養機能食品が67.8%、機能性表示食品が70.2%となった。

調査は昨年12月、モニター482人を対象に行い、379人が回答した。回答者の性別は男性48.8%、女性51.2%。年代別では50代以上が全体の76.2%を占めた。

都は調査結果とあわせてパンフレット「健康食品ウソ?ホント?」や若年層向けの専門サイト「磨け!選択眼」を紹介し、適正・安全な利用を呼びかけている。

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