【豪州】デルがモニター追加購入で不当な二重価格表示 返金へ

オーストラリア連邦裁判所は6月6日、パソコン大手デルの豪法人「デル・オーストラリア」(本社・ニューサウスウェールズ州)がモニターの追加購入において消費者に誤解を与える不当表示をしたことを認めたと発表した。同社は購入者に対し、全額もしくは一部返金に応じるという。豪競争・消費者委員会(ACCC)が2022年11月4日に訴訟を起こしていた。

ACCCによると、同社は2019年8月~21年12月16日、自社通販サイトのデスクトップやラップトップの詳細画面において、互換性のあるモニターを複数表示させ、追加購入した場合の割引価格を表示。高い価格に取り消し線を入れて割引を強調するなどしていたが、多くが高い価格での販売実態がなかった。また、追加購入したモニターの価格が、単体で購入した場合よりも高いケースがあった。

ACCCのリザ・カーバー氏は「モニターだけを買った方が安かったというのは衝撃的だ。裁判所が指摘したように、価格と割引は消費者の購入選択の重要な要素であり、小売業者が正確な価格表示と割引額を表示することの重要性を示した事例だ」とコメントした。

不当表示が行われた約2年あまりの間にモニターを追加購入した人は4250人以上、売上は総額200万豪ドル(約1億8500万円)以上にのぼるとみられ、デル・オーストラリアは全ての対象者に連絡し、全額もしくは一部の返金を行うとしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る