【香港】美容・フィットネスの前払い契約にクーリングオフ導入案

香港特別行政区政府が「商品説明条例(Trade Descriptions Ordinance)」改正案として、美容・フィットネスサービスの前払い契約に法定クーリングオフ期間を設ける方針を示したことがわかった。これを受け、香港消費者委員会は6月29日、歓迎する声明を発表し、「不公正な取引慣行から消費者を守る仕組みを強化し、消費者保護制度全体を向上させるための重要な一歩となる」とコメントしている。

同委員会によると、改正案は7日間の法定クーリングオフ期間と14日間の返金期間を設ける内容。そのうえで、契約金額に応じてクーリングオフ制度の対象となる契約の閾値を設け(低額契約は対象外とする案)、法定契約期間の上限を2年とし、契約開始も3か月以内に行うことを義務付ける案などを盛り込んでいる。

香港では美容・フィットネス事業者の閉店に関するトラブルが相次いでおり、同委員会が過去2年間に受けた苦情の大半は、契約期間が2年を超えるものであり、中には契約開始日が30年以上先延ばしにされていた事例もあった。こうした状況を踏まえ、同委員会は「こうした長期契約が消費者を長期にわたる前払いリスクにさらしていた」と指摘。「契約期間と契約開始時期の両方を制限することは、消費者が負うリスクの軽減に加え、契約料金が妥当かどうかを判断する目安にもなる」と評価している。

委員会のチャン・カムウィン会長は「前払い消費、特に高額かつ長期契約になりがちな美容・フィットネスサービスにおいては、消費者が強引な勧誘によって拙速な判断を迫られるケースが多い。こうしたリスクを我々は長らく懸念してきた」とコメント。「今回の政府の方針転換を心から歓迎し、全面的に支持する。これは健全で持続可能な市場環境の構築や、消費者保護制度のさらなる強化、そして消費者が安心して買い物できる環境づくりに、長期的に寄与するものだ」と述べた。

政府は条例違反となる「不正な代金受領」行為を「組織犯罪及び重大犯罪条例(OSCO)」の附表1に加え、香港税関の捜査・執行権限を強化する案も示している。香港消費者委員会は規制の実効性を担保するには取締り強化が不可欠だとし、この案にも同意している。

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