【米国】偽造ハチミツ「買わないで」 固まるのは本物の証

植物性シロップなどを混ぜた粗悪な「偽造ハチミツ」が数多く流通しているとして、アメリカの古参消費者団体「全米消費者連盟」(NCL)が本物のハチミツを選ぶよう消費者に呼びかけている。粗悪品が大量に出回ることでハチミツの価格が下落し、養蜂家の経営を圧迫。さらに養蜂家の減少でミツバチの受粉活動が減り、農作物の生産に大きな打撃を及ぼしかねない状況だという。NCLは「ハチミツは偽造されやすい食品の一つ。養蜂家、食料供給システム、市場を守るため、消費者は本物を購入する必要がある」と訴えている。

米コンサルタント会社Grand View Researchの試算によると、ハチミツの市場規模は年々拡大しており、2020年の世界市場は97.9億ドルに達する。一方で、偽造されやすい食品としても知られ、植物性シロップを加えた中国産の粗悪品が検査をすり抜けて大量に流通。NCLは「米国や世界中の消費者はだまされており、購入したハチミツが本物かどうかを判断する方法を知る必要がある」と指摘する。

純粋なハチミツは冷暗所に一定期間保管すると結晶化するほか、水に落としても混ざりにくいという特徴がある。また、純粋なハチミツを電子レンジで1分間加熱するとカラメル化するが、混ぜ物をしたハチミツは泡立つという。

健康志向の高まりを受け、砂糖・甘味料の代替品として世界的に需要が高まるハチミツだが、粗悪品の大量流通で価格が下落しており、養蜂家が適正な利益を得にくい状況になっている。さらに養蜂家やミツバチの個体数の減少により受粉活動が低下。農作物の生産に大きな影響を与える恐れがあり、NCLは「偽造ハチミツがもたらす食料システムへの脅威は、もう一つの大きな問題だ」と指摘している。

同団体は「信頼のできる業者から本物を購入することが消費者に求められている」と訴えている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 日本弁護士連合会
    内部通報したことを理由に従業員を解雇や懲戒処分にした個人、法人に刑事罰を科すことを盛り込んだ改正公益c
  2. イベント
    ◎消費者スマイル基金主催 4日まで参加者募集 消費者団体訴訟の支援に取り組む認定NPO法人消費者スc
  3. 消費者庁
    6歳未満の子どもが住宅のベランダ、窓などから転落死する事故が1993~2024年の32年間に全国で1c
  4. ニッポン消費者新聞2025年1月1日号
    特集 機能性食品データ情報公開訴訟 最高裁、消費者勝訴 原審への差し戻し命じる ~「公c
  5. ホワイトハウス
    米食品大手ゼネラルミルズは6月17日、2026年夏までに、米国内の小中学校に提供するシリアルと食品かc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る