英スーパー大手のテスコ（TESCO）が食料品のオンライン宅配に必要な最低注文金額を、現在の40ポンドから50ポンドへと10ポンド（25％）引き上げると発表した。5月2日から適用する方針で、同社が英国消費者団体Which?に語ったところによると「大多数の顧客に影響するものではない」としている。身の回りのあらゆる物やサービスが急激に値上がりする中、なんとか生活を維持しようと食費を切り詰める人も多く、SNS上には怒りの投稿もあがっているという。

テスコは最低注文金額の引き上げとともに、金額に満たない買い物に対して課していた追加料金を4ポンドから5ポンドに引き上げる。ほかの大手スーパーは最低注文金額を40ポンド（アズダ、オカド、ウェイトローズ）もしくは25ポンド（モリソンズ、セインズベリー）に設定しており、テスコの強気の変更が際立つ形だ。

消費者団体Which?によると、今回の変更について、同社は「宅配コストを抑制する必要があり、オンライン利用客に可能な限り効果的なサービスを提供し続けるための措置だ」と回答。オンライン宅配の平均注文額は90ポンド以上だとし、「大多数の顧客の買い物に影響することはない」と付け加えたという。

ただ、利用者の一部からは「実質値上げだ」など怒りの声もあがっているという。Which?が同団体公式アカウントのフォロワーに意見を求めたところ、「私は3～4週間ごとに（まとめて）注文しているため、今回の値上げには全く影響しない」との声が寄せられる一方で、「値上げは私の選択に大きな違いをもたらす。他のスーパーで注文することも検討する」など様々な反応があったという。物価高騰により生活が苦しい人も多く、SNS上には「誰もが節約に必死なのに（テスコは）貪欲すぎる」、「食料品に50ポンド……、支払う余裕がない」などの意見が投稿されているという。