経済再開で詐欺も横行? 1~4月6204件 前年比3割増

◎架空料金請求詐欺が約2倍

全国の警察が把握した今年1月~4月の特殊詐欺は6204件、被害総額は約123億円で、前年同期と比べてそれぞれ1471件(31.1%)、23億円(23%)増加した。コロナ禍からの経済活動の本格再開に伴い詐欺も活発化している模様で、特に高齢者は一層の注意が必要だ。

警察庁のまとめによると、最も増加が目立ったのは「架空料金請求詐欺」。今年4月末までに1550件確認され、前年同期比92.8%増と約2倍となった。被害金額も35.6%増の40.1億円と最多だった。

次いで「オレオレ詐欺」が1391件(31.8%増)、被害額38億円(20.2%増)、「還付金詐欺」が1460件(19.8%増)、16.6億円(22%増)、「預貯金詐欺」が832件(17.2%増)、10.6億円(25.7%増)など。逆に「キャッシュカード詐欺盗」は808件(8.7%減)、被害額10.5億円(22.8%減)と減少した。

また、特殊詐欺被害者の82.7%が高齢者(65歳以上)だった。中でも、預貯金詐欺とキャッシュカード詐欺盗は99.5%、オレオレ詐欺は98.0%と顕著だった。高齢男性よりも高齢女性の被害が多いのも特徴的で、特殊詐欺全体では高齢男性23.6%に対し高齢女性が59.1%、預貯金詐欺では高齢男性9.9%に対し高齢女性89.7%となっていた。一方、架空料金請求詐欺の高齢被害者の割合は58.7%で、幅広い年代層で警戒が必要な詐欺手口となっていた。

直近5年の特殊詐欺発生状況は18年1万7844件、19年1万6851件、20年1万3550件、21年1万4498件、22年17570件。今年は前年を上回るペースで推移しており、周囲の見守りを含めてより一層の注意が必要な状況だ。

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