【米国】ジャンク料金排除へ チケット取引大手も全額表示開始へ

ホテル予約やライブチケット決済時に突然、様々な手数料が上乗せされ、価格が跳ね上がるという「隠れたジャンク料金」問題――。バイデン政権がジャンク料金の排除を呼びかける中、これに賛同する企業が広がっている。チケット取引やイベント運営、ホテルなどを中心にオールインプライス(全額表示)の導入が進みつつあり、古参の消費者団体ナショナル・コンシューマー・リーグ(NCL)は「チケット業界の主要企業を交渉の場に引き入れたバイデン大統領のリーダーシップに感謝する」との声明を出した。

バイデン政権は国内市場の競争促進を重要政策に位置付けており、予期せぬジャンク料金について「様々な業界に蔓延する問題であり、ショップの比較を困難にし、競争を阻害し、消費者に負担を強いる」と問題視。「明解で透明な価格設定を提供するために行動を起こす必要がある」とし、監視の強化とともに自主的な全額表示の導入を各業界に呼びかけてきた。

これに応じたのがライブ運営のライブ・ネイション、チケット取引のチケット・マスター、民泊仲介のエアビーアンドビーなど大手マーケットプレイス。

ライブ・ネイションは3000万人以上の利用者に対して、9月から全額表示を開始することを約束。チケット・マスターもすべてのチケットを対象に全額表示が確認できる機能を追加する。エアビーアンドビーは昨年12月に全額料金が確認できるツールを導入済み。800万人を超える人がこのツールを利用し、手数料込みの価格を確認しているという。そのほか、長年にわたり全額表示を行ってきたチケット転売サイトTickPickや音楽チケット販売のDICE も呼びかけに賛同した。

バイデン政権は「招集に応じた複数社の取り組みにより、数千万人もの消費者のマーケット体験が向上することになる」と成果を強調。これに対し、2009年からチケットの高額転売問題に取り組んできたNCLは「ライブ業界の主要各社の取り組みは前向きな一歩だが、誰がどこで買おうと公平に同じ条件でチケットを入手できるよう、ジャンク料金を抑制する強力な法律が依然として必要だ」と法整備を要請している。

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