AGA治療の相談増加 クーリング・オフ適用外 都が注意喚起

◎若者や女性からの相談も

AGA(男性型脱毛症)など薄毛治療の契約に関する相談が増加しているとして、東京都消費生活総合センターが注意を呼びかけている。「無料カウンセリング」のインターネット広告をきっかけに勧誘を受け、その場で高額な契約を結んでしまうケースが報告されており、最近では若者や女性からも相談が多く寄せられているという。同センターは「AGA治療にはクーリング・オフが適用されない。事前によく調べてから契約してほしい」と呼びかけている。

AGA治療の相談件数同センターによると、AGA治療は自由診療で、各クリニックが独自に価格を設定するため、同じ治療内容でも支払額に大きな差が生じたり、中途解約時の解約料が高額になったりする。また、ネット上で「まずは無料カウンセリングを」などと宣伝し、来院した消費者に無料カウンセリング後、「今日中に契約したら安くなる」などと契約や施術を勧めるケースもあるという。

公表された相談事例では、20歳代の男性がネット広告にあった「無料カウンセリング」を受けにAGA専門クリニックを訪れたところ、早く治療をした方がよいと服薬1年間と注射4回コースの治療を勧められ、総額約100万円の契約を結んだ。その日のうちに頭皮へ注射をし、薬を1カ月分処方された。高額の支払いに不安を覚えた男性はクーリング・オフについてセンター窓口に相談を寄せたという。

AGA治療は特定商取引法の指定役務に該当しないため、クーリング・オフが適用されない。また、ホームページに「効果がなければ返金保証」などと記載されていても、細かい条件が設定されていて対象外となることもある。特に薬については、体に合わなくても返品・返金ができないケースが多く、同センターは慎重な契約を呼びかけている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」9月1日号より転載)

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る