【米国】スポーツ賭博大手、プッシュ通知の93%に広告掲載 初調査

米国の老舗消費者団体ナショナル・コンシューマー・リーグ(NCL)は7月28日、スポーツベッティング(スポーツ賭博)大手3社が送信したプッシュ通知の93%に広告が含まれていたとする初の調査結果を公表した。NCLは、スポーツベッティング自体は容認しているものの、プッシュ通知を賭博の宣伝に利用することには反対している。

プッシュ通知とは、ダウンロードしたアプリからスマートフォンに自動的に届く通知のこと。アプリを起動しなくてもスマホ画面に表示されるため、キャンペーン告知などに利用されている。

NCLによると、大手3社が送信したプッシュ通知を4週間収集したところ、93%に広告が含まれていた。また、62%には、ユーザーに賭けを促す文言があり、その多くが「今すぐベット」といった直接的な表現になっていた。さらに、15%にはリスクの高いパーレー(勝った時に賭け金を2倍にする賭け方)を宣伝していた。

調査結果について、NCLのエデン・イシル氏は「プッシュ通知を使うと、スマホを通じて24時間365日いつでもユーザーにアクセスできる。プッシュ通知を賭博の宣伝に利用することは極めて侵略的なマーケティング手法であり、常態化すべきではない」と指摘した。

さらに「テレビや電子メールには広告規制があるのに、これらのメディアよりも影響力の強いプッシュ通知に関しては何の規制もない」とし、政府に対し、賭博広告でのプッシュ通知の使用禁止を要請。さらに、不公正かつ欺瞞的な行為を禁じる連邦法に違反する可能性があるとして、米連邦取引委員会(FTC)に調査を求めた。

NCLによると、スポーツベッティング広告を規制する法案が現在、米国議会(SAFE Bet法案)、ニューヨーク州(中毒性通知規制法案)、ニュージャージー州(A5207法案)で審議されているという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 東京都庁
    東京都消費者被害救済委員会(会長・宮下修一中央大学大学院法務研究科教授)は9月30日、「個別クレジッc
  2. ニッポン消費者新聞2025年1月1日号
    特集 機能性表示食品検証事業報告書 消費者庁が全面開示、最高裁判決受け ~原告側は訴えc
  3. 電話相談
    公益社団法人全国有料老人ホーム協会(東京都千代田区)の苦情対応委員会は10月2日と3日の2日間、「有c
  4. 国民生活センター
    国民生活センター「訪日観光客消費者ホットライン」の2024年度相談件数は513件で過去最多だった。商c
  5. アンケート調査
    2020年7月のレジ袋有料化から5年が過ぎたことから、NPO法人コンシューマーズ京都(京都消団連)はc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る