【米国】フェイクニュース横行 FTC、宣伝手法の見直し要求

ビル・ゲイツ氏などを登場させたフェイクニース(虚偽の報道)を配信して、サプリメントを大々的に宣伝する事件が起きたことを受け、米連邦取引委員会(FTC)は4月10日、企業に対し、広告手法の点検や見直しを呼びかけた。ニュースを装った広告の禁止やアフィリエイトの監視などを求めている。

フェイクニュースサイト

違法性が指摘されたフェイクニュースサイト(FTCホームページより)

事件を起こしたのは4人の個人など。4人は運営するウェブサイトで、認知強化サプリメント「Geniux」「Xcel」「EVO」などを1瓶47~57ドルで販売。その際、科学的根拠もなく「脳ためのバイアグラ」「短期・長期の記憶改善」「IQ向上」などと表示していた。

また、少なくとも36のアフィリエイト・ネットワークを駆使して、同様の宣伝をしたほか、著名人を登場させたフェイクニュースサイトを開設して、大々的なキャンペーンを展開していた。CNNを装ったニュースサイトでは、ビル・ゲイツ氏の写真を載せて「信じられない結果だ。私の精神的パフォーマンスが1日で向上した」とコメントさせたり、有名な記者に「スティーヴン・ホーキンス博士が頭がシャープになり、明瞭になったと語った」などと報道させたりしていた。さらに、記事のコメント欄には「摂取してから3週間後に昇進した」などの偽の投稿を行っていた。

FTCは同日、4人とこれに関わった12社を提訴し、和解案として4人に1456万ドル、12社に1158万ドルの支払いを求めた。

FTCのアンドリュー・スミス消費者保護局長は「ニュースのように見せかけて、有名人に商品を推奨させたり、購入者の偽のコメントを載せたりした場合、我々は企業に説明責任を負わせることになる」と警告。企業に対し、「関連会社や他社に宣伝を行わせるなどして、ネットワーク構造を複雑にしても、法執行を逃れられるものではない」と釘を刺し、アフィリエイトの監視や宣伝文句の点検・見直しを求めた。

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