葬儀費、料金開示しない業者ほど割高に 米消費者団体が調査

アメリカ消費者連合(CFA)とFuneral Consumers Alliance(FCA、葬儀消費者同盟)は2月10日、カリフォルニア州で実施した葬儀場の料金表示に関する調査結果を公表した。料金をまったく開示せず、州法に抵触する業者が複数確認されたほか、開示が不十分な業者ほどサービス価格を割高に設定していることがわかった。FCAなどは「業者によって価格に大きな差があり、消費者が正しく比較・選択できる環境を整える必要がある」とし、州に法規制の強化を求めた。

カリフォルニア州法で、葬儀業者にホームページでの料金開示を義務付けている。そこでCFAなどは昨年、州が認可した葬儀施設1086カ所のうち203施設(19%)のホームページ調査をおこなった。

調査結果によると、料金をわかりやすく表示していたサイトが全体の44%を占めたが、料金を記載していたものの、わかりにくい場所に表示していたサイトが25%あった。違法ではないが料金を開示していなかったサイトは25%、明らかに州法に抵触するサイトが3%あった。州法では消費者の問い合わせに応じて料金表を提示すれば、ホームページへの開示が免除されている。違法とされたサイトは、オンライン上に料金表を掲載せず、さらに消費者団体の問い合わせにも応じなかったという。

また、価格調査では、料金を開示していないサイトのサービス価格が割高に設定されていることが判明。基本料金で36%、火葬料金で31%、埋葬料金で37%、それぞれ高かった。州法違反のサイトでは、低料金の棺オプションサービスや簡易的な埋葬サービスがあることを開示していないこともわかった。

FCAなどは「葬儀の契約は消費者が失意の中で行うもの。わかりやすく、迅速に料金を比較できるよう、すべての業者がホームページで明瞭に開示すべきだ」とし、州法改正を要求している。

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