仏カルフール、動物福祉の卵販売へ 生まれる前に性別判定

仏スーパー大手のカルフールは鶏卵生産業者とタッグを組み、卵の段階で雄雌を判定する技術を導入する。仏政府は2021年末をめどに雄ヒナの殺処分を禁止する意向で、こうした動きに対応した。欧州では動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点から複数の虐殺防止プロジェクトが進められており、18年末ごろから数量は少ないながらも動物福祉対応のブランド卵が流通しているという。

鶏卵生産業者Les Fermiers de Loueが独AAT社の技術を導入し、卵の生産をおこなう。高度な光学式選別機を用いて卵の段階で雌雄を判定する仕組みで、雄の卵を排除し、雌ヒナのみを産卵鶏に育てていく。通常の生産現場では、生まれたばかり(1日齢)のヒナの段階で性別を判定し、雄ヒナはすぐに殺処分されていた。

ただし、新技術による生産はコストがかさみ、Les Fermiers deLoue幹部は「鶏1羽あたり1ユーロ、卵1個当たり約1セントの追加費用がかかる」とコメント。約3万羽の規模で卵を生産し、カルフールの店頭に並ぶのは5月になる予定だという。

欧州では2018年以降、独仏を中心に動物福祉に対応した卵の生産が徐々に拡大。雄ヒナの殺処分防止だけでなく、産卵鶏を早期処分せず、寿命をまっとうさせる取り組みも行われている。こうして生産された卵は非常に高価だが、売れ行きは好調だという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. ◎返品対応の重要性強調 「ブランド力向上につながる」 全米小売業協会(NRF)は10月15日、今年c
  2. 消費者庁
    屋内施設で行われる音楽イベントの出入り口付近が混雑して将棋倒しとなり、大規模な事故が起きる可能性があc
  3. 国セン・消費者団体と意見を交わす公正取引委員会(主婦会館プラザエフにて)
    公正取引委員会は9月26日、消費者団体との意見交換会を東京都内で開き、独占禁止法の運用状況や直近の取c
  4. 運が良ければ使用することのないスペアタイヤだが、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは使用期限にc
  5. 東京都消費生活総合センター
    2024年度に東京都内の消費生活センターに寄せられた「危害」に関する相談は1938件で、前年度から3c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る