巨人ウォルマート、中古市場に参入 衣類のオンライン販売開始

小売り世界大手のウォルマートは5月27日、オンライン古着販売を手掛けるthredUpとの提携を発表し、ファッション分野で中古市場に参入することを明らかにした。すでに通販サイトWalmart.comで販売を始めていて、婦人服や子供服、アクセサリー、靴、ハンドバッグなど約75万点の中古品を取りそろえている。

中古衣料品を販売するウォルマートコム

中古衣料品を販売するウォルマートコム。多くのカジュアルドレスが16~29ドルで売られている

ウォルマートの発表などによると、thredUpが出品者から商品を預かり、品質の確認や値付けをした後、ウォルマート通販サイトに出品する仕組み。中古品とは言え、購入しても使わなかった「新品」や数回しか使わなかった「新品同様」の製品のみを扱う方針。購入価格35ドル以上で無料配送し、無料返品も受け付ける。「この返品サービスはthredUPの会員にも提供されてこなかったウォルマート独自の特典だ」という。

ウォルマートの中古市場参入はミレニアル世代(インターネット普及時期に育った世代、1980年代以降の世代)の取り込みを狙ったもの。thredUpの調査によると、この世代は中古衣料品への関心が高く、約7割が購入意欲を持っていた。取り扱うブランドもこの世代に標準を合わせ、Champion、Jordache、Levi Straussなど1000近くをラインアップ。プライベートブランドのTime and Tru、Terra&Sky、Wonder Nation、Georgeも取りそろえてアピールする。

ウォルマートのファッションeコマース担当者は「この1年、中古市場に参入すべくパートナー探しを続けてきた。パンデミック禍での立ち上げとなったが、消費者が財布のひもを締める中、手頃な価格の衣料品は関心が高い」とコメント。また、ミレニアル世代は環境意識も高いとし、リユース衣料を武器にウォルマートの魅力を高めたいとしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 国際消費者機構(CI)
    100カ国以上、200を超す消費者団体が加盟する国際組織、国際消費者機構(CI、本部・ロンドン)は1c
  2. 国民生活センター
    ◎国民生活センター、対応策を提示 スマートフォンやパソコンに保存されている「デジタル遺品」。故人がc
  3. 全相協公開シンポジウム
    ◎「サプリメント形状食品の規制必要」との意見も 全国消費生活相談員協会(全相協)は11月15日、秋c
  4. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 健康食品110番に350件超 全相協、シンポジウムで報告 機能性食品は21件 ~c
  5. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る