米国で血液不足深刻化 赤十字社が献血呼びかけ 5ドル進呈も
- 2021/6/29
- 海外
アメリカ赤十字社は6月14日、輸血用血液製剤の不足が深刻化しているとして献血への協力を緊急的に呼びかけた。今月30日まで、協力者にアマゾンギフトカード5ドル分を贈呈するキャンペーンも展開している。
米赤十字社によると、外傷症例や臓器移植、手術数の増加などにより輸血用血液製剤の需要が急増し、血液在庫が枯渇している状況だという。特に、外傷症例を扱う医療機関からの赤血球製剤の需要が2019年時と比べて10%増加していた。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大によって治療を延期していた患者らの病状が悪化するなどしており、医療界全体で血液需要が高まっていた。別の要因として、ワクチン接種の拡大により休暇や旅行を楽しむ人が増えたことが、ここ数カ月間の献血協力者の減少につながったとする意見もあった。
不足が深刻な血液はO型。出血をとめる役割を持つ血小板製剤も足りないという。米赤十字社は「血液は腐敗しやすく、長期保存ができない」と強調。「2秒ごとに米国人の誰かが輸血を必要としている。あなた方の協力なしには需要を満たすことができない」とし、献血への協力を呼びかけている。