ネット通販の玩具、4割が安全基準不適合 英消費者団体が調査

英国の消費者団体Which?がおこなった商品テストによると、オンライン市場で販売されているおもちゃの4割が安全基準に適合していないことがわかった。複数の項目で基準不適合となるおもちゃも見つかり、同団体は誤飲や窒息、けがの原因となる製品について「Don’t Buy(買わないで)」と呼びかけた。この結果について、Which?消費者保護ポリシー責任者は「製品安全に関する監視不十分が浮き彫りとなり、危険なおもちゃが家庭に入り込んでいることが明らかになった」とコメント。通販サイト運営事業者に安全性に対する法的責任を負わせる必要があると強調した。

同団体は通販サイト大手のアリエクスプレス、アマゾン、イーベイ、ウィッシュから28製品を購入し、おもちゃの安全基準(BS EN 71-1、BS EN 62115)に適合しているかを調べた。その結果、12製品(43%)が基準に適合しておらず、安全ではないことがわかった。

ウィッシュで販売されていた「ドクターズセット」は、はさみや注射などの51個のミニチュア玩具を詰め合わせた製品。はさみやメモ帳が破損すると鋭角になるほか、絆創膏や錠剤を誤飲すると窒息するおそれがあった。同団体は「3歳未満の子どもが遊ぶにはパーツが小さすぎて、危険なおもちゃであふれている。簡単に壊れることも問題で、少なくとも窒息の危険性が20件以上、鋭角部で指をけがをする危険性が3件あった」と指摘した。

そのほか、強度が不十分で、壊れると小さな磁石が外れてしまうブロック玩具、引張試験で不合格となったペンダントをぶら下げた犬のぬいぐるみ、3本のリボンが首に絡みつく危険性のある赤ちゃん用ガラガラなど計12製品を公表。製品の写真に「Don’t Buy(買わないで)」マークを表記し、保護者に注意を呼びかけた。

業界団体の英国玩具趣味協会(The British Toy and Hobby Association)の昨年度調査では、オンライン通販で流通する製品の60%に安全上の問題が確認された。Which?の通報により基準不適合の12製品はすでに削除されており、同団体は「オンライン通販を利用する場合は信頼できるブランドや販売者から購入し、商品が届いたら子どもに手渡す前に安全性を確認してほしい」と保護者に呼びかけている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 国際消費者機構(CI)
    100カ国以上、200を超す消費者団体が加盟する国際組織、国際消費者機構(CI、本部・ロンドン)は1c
  2. 国民生活センター
    ◎国民生活センター、対応策を提示 スマートフォンやパソコンに保存されている「デジタル遺品」。故人がc
  3. 全相協公開シンポジウム
    ◎「サプリメント形状食品の規制必要」との意見も 全国消費生活相談員協会(全相協)は11月15日、秋c
  4. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 健康食品110番に350件超 全相協、シンポジウムで報告 機能性食品は21件 ~c
  5. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る