【米国】消費者の「修理する権利」求め株主提案 アップルなどに

環境保護や公衆衛生に取り組む非営利団体のみで設立した米国で唯一の投資信託会社グリーンセンチュリー・キャピタル・マネジメントは9月13日、米アップルと農機具大手ディア・アンド・カンパニーに対し、修理方針の改善を求める株主提案を提出したと発表した。

グリーンセンチュリー社は、化石燃料への投資を排除した米国初のオープンエンド型投資信託「グリーンセンチュリーファンド」シリーズを運営する社会的責任型の投資信託会社。

投資するアップルに対し、「2030年までに製品とサプライチェーンでカーボンニュートラルの実現を目指すテクノロジーの巨人で、世界で最も価値のある企業だ」と評価する一方で、排出量が急増している電子廃棄物問題に触れ、「製品を修理しやすくすることは、電子機器の寿命を延ばし、温室効果ガスの排出量削減にとっても重要だ」と指摘。自社製品の修理を制限しているアップルの姿勢を非難した。

また、ディア社には「全国的に修理する権利を求める運動が高まっている。ディアの制限的な修理方針に矛先が向かい、企業価値が毀損するリスクがある」と指摘。「農家から修理する能力を奪うことは、象徴的で伝統のあるブランドの創設精神に反している。ディアと米国民のために修理方針を転換する時が来ている」と呼びかけた。

同ファンドと関係が深い非営利団体U.S.PIRGは「独占的な修理方針は米連邦取引委員会(FTC)も注視しており、株主が企業に方針の変更を迫るのは当然のことだ」とコメント。「製品を修理するための自由度を拡大させることはコストと無駄を削減する。メーカーは修理に必要なソフトウェアや部品、情報の提供を拒否する傾向があるが、今こそ解放に向けて進む時だ」と2社に前向きな改革を求めた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る