【英国】銀行支店、7年で半減 無料ATMは4分の1が消滅

英国の消費者団体Which?は4月26日、2015年以降、銀行支店の閉鎖が加速し、ほぼ半減したと発表した。無料で使えるATMの撤去も相次ぎ、18年以降、全体の4分の1が消滅。同団体は「いまも何百万もの人が現金に依存している。支店網の崩壊を回避し、現金危機を食い止めるのは今しかない」と訴えている。

Which?によると、15年に銀行支店が9807店舗あったが、現在までに4685店舗が閉鎖され、これから年末にかけて226店舗の閉鎖が予定されている。さらに問題を悪化させているのが無料ATMの撤去の加速。18年以降、1万2000台以上が撤去され、全体の4分の1が消滅した。農村地域は都市部よりも深刻な状況で、現金を入手するために何マイルも移動する必要があるという。

ネットバンキングの台頭が支店閉鎖の主な理由だが、英国では高齢者や低所得者層など推計500万人が現金に依存している。政府も2年前から銀行業界に対策を求めているが、あくまで任意の措置。現在も支店閉鎖は進んでおり、Which?は「銀行業界の自主的取り組みは歓迎するが、撤退を防ぐまでにはいたっていない。事態は差し迫っており、法に基づく現金保護が今すぐに必要だ。(国会に提出される法案が発表される)来月のクイーンズ・スピーチを逃したらもはや手遅れになる」と訴えている。

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