【英国】電話・ネットの税率引き下げを 570万世帯が支払い苦慮

英国のおよそ570万世帯が電気通信サービス料金の支払いに苦慮しているとして、消費者団体のWhich?は8月4日、政府に付加価値税(VAT)の引き下げを要求した。高速インターネット回線や携帯電話、固定電話はもはや生活に不可欠なサービスとなっているが、近年の物価高騰が低・中所得層の生活を直撃。食費や衣料費を削るか、それとも通信サービスを断念するかの厳しい選択を迫られているという。

英情報通信庁(Ofcom)の調査によると、推定570万世帯が通信料金の支払いに関するトラブルを抱えており、「ほかの生活必需品の支出を減らす」、「通信サービスを解約する」、「より安いサービスに乗り換える」、「料金の支払いが滞っている」などの状況が発生していた。こうしたトラブルを抱える世帯の割合は2月の16%から4月の20%へと上昇、食品や衣類への支出を切り詰める世帯も2月の220万世帯から4月の350万世帯へと増加していた。

同国の通信サービスへの付加価値税は20%で、ガスや電気の5%よりもはるかに高い。Which?は「(ジョンソン首相退任後の)次期首相はブロードバンドや携帯電話、固定電話が生活に必要不可欠なサービスになっていることを考慮すべきであり、税率を5%にまで引き下げるべきだ」と指摘した。減税が実現すれば、標準的なブロードバンドを利用している世帯にとって年間最大57ポンド(およそ9300円)の節約につながるという。

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