世界の消費者運動と連携強化を マーティン・フリッドさん🔒

日本消費者連盟共同代表・マーティン・フリッドさんインタビュー
◎エッセー本「鵜の目鷹の目」発行、消費者に国境なし

「日消連(NPO法人日本消費者連盟)の共同代表に就任して、2つの責任を痛感しています。一つは、50年以上の歴史を持つ日消連の運動をいっそう発展させていくことです。もう一つは、活動の視点や範囲をさらに広め、海外の知り合いにも働きかけ、国際的な消費者団体のネットワークをフルに活用させて連携を深めていくことです。半世紀以上の歴史に培われた消費者運動の意義を内外の多くの消費者に知ってもらいたい、そう思っています」

ニッポン消費者新聞がマーティンさんにインタビューするのは2度目。

1度目は13年前。オンブズマン制度発祥の国・スウェーデンから来日したマーティンさんが「ニッポン・食の安全ランキング555」という食品ガイドブックを発行したときだ。

マーティン・フリッドさん

「安全な食生活は伝統食から」と訴え、555品目を選定し、「良い食品は身の回りのすぐそばにある」「正直な農家、真面目な企業の食品にこそ選ぶ価値がある」と消費者に呼びかけた。選定した食品は実際に見て触って食味したものだ。

このような「食文化」への探求から始まった旺盛な好奇心は、その後、環境問題、資源・エネルギー、ジェンダー、政治・経済・社会制度のあり方にまで「食指」が広がり、昨年3月には「マーティンの鵜の目鷹の目」というエッセー本(日消連発行・社会評論社発売)に凝縮された。日消連の会員向け活動情報誌「消費者リポート」に約20年間連載したエッセーを盛り込んだものだ。

副題には「世界の消費者運動の旅から」とある。翻訳は清水洋子さん。

「元気に、楽しく生きることは消費生活の基本です。私にとってエッセーを書くことはそのためのアクションの一環。最初に来日したとき、お寿司、お刺身、ご飯、みそ汁など、日本の食べ物は世界一おいしいと感動しました。食べ物だけではなく善き伝統を維持するには何が必要か、消費生活の安全をむしばむものを排除していくために何かしなくては……(以下続く)

(本紙9月1日号「消費者問題はいまー提言」欄より一部転載)

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