【米国】四輪バギーの子ども死亡事故相次ぐ 緊急対策求める声

米国消費者製品安全委員会(CPSC)はオフハイウェイ車の事故に関する最新リポートを発表し、子どもの死亡事例が相次いでいると警告した。安全装備の着用や年齢に応じた車両の使用などを呼びかけている。これを受け、消費者団体のアメリカ消費者連合(CFA)は「さらなる安全対策を緊急に行う必要がある」とする声明を出した。

CPSCによると、バイクを除くオフハイウェイ車に関連した救急搬送事例が2021年に10万6600件あり、そのうちの29%が16歳未満の子どもだった。

また、2017年~2019年の3年間に、オフハイウェイ車の事故で2178人が死亡。そのうち約70%が全地形対応車(ATV、四輪バギーやクアッドとも呼ばれる)に関連していたほか、16歳未満の子どもの死者数が283人にのぼった。

CFAは他団体と連携してオフハイウェイ車の事故防止運動を展開しており、ニュース報道などを参考に死亡者数をリアルタイムで集計している。今年のオフハイウェイ車事故の死者数は5月時点で126人にのぼり、多くがATVとUTVに集中。16歳未満の子どもの死者数は23人だった。

CPSCは「オフハイウェイ車は横転や衝突のほか、ドライバーが車体から投げ出される危険性がある」と警告。子ども用製品も販売されているATVについて、▽資格を持つインストラクターの指導を受けてから運転する▽許可を得ている場合を除いて、公道では乗らない▽16歳未満は年齢に応じた製品のみを運転し、成人用の製品は運転しない▽常にヘルメット、保護メガネ、ブーツ、手袋、長袖長ズボンなどを着用し、体を保護する――などの安全対策を呼びかけた。

一方、CFAは「公表された事故データは、CPSC、メーカー、小売店などの関係者が死亡・重大事故防止のさらなる取り組みを緊急的に行う必要があることを示している」と指摘。「最も弱い立場にある子どもたちを守るために、できうる限りのことを行うことが不可欠だ」と求めた。

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