【米国】巨大ヘルスケア企業誕生 CU批判「消費者に不利益」

ドラッグストア大手CVSヘルスによる医療保険会社エトナ買収を米司法省が承認したことを受け、消費者団体のコンシューマーズ・ユニオン(CU)は10月10日、「市場における選択肢が減り、消費者は不利益を被る」とする声明を発表した。CUは米下院の聴聞会やカリフォルニア州の公聴会などで一貫して競争上の懸念を主張し、合併に反対してきた。

CVSヘルスはドラッグストアチェーン最大手の一角で、買収を繰り返して関連事業を広げてきた。一方、エトナは医療保険第3位の大手。CUシニア政策顧問のジョージ・スロヴァー氏は「合併により両社は、多くの市場にまたがる巨大な競争力を得て、利益を最大化する方向に進むだろう。彼らは効率化により消費者のコストが減ると主張しているが、これまでの歴史を振り返れば懐疑的にならざるを得ない」と指摘。「大手企業数社が支配する市場における合併は、消費者の選択とサービス品質に悪影響を与えるおそれがある」と批判した。

CUは聴聞会で、合併の弊害に関するいくつかのシナリオを提示。例えば▽エトナの保険契約者をCVS運営クリニックへと誘導する▽エトナの保険契約者にのみ処方薬購入にまつわるサービスを優遇する――などが想定されると主張した。

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