【米国】車の安全機能は標準搭載に 「安全を売り物にしないで」
- 2025/7/4
- 海外
米国の老舗消費者団体ナショナル・コンシューマー・リーグ(NCL)は米下院エネルギー商業委員会に対し、交通事故を減らすための政策提言を行った。「交通事故に伴う死傷者数は許容できない状況にあり、低減させるために議員らは断固たる措置を取る必要がある」と訴えている。
提言によると、米国の交通事故による死者数は毎年約4万人にのぼり、260万人が負傷。社会的損失は医療費、救急サービス、訴訟費用、財産損失など約1兆ドルにのぼるという。こうした状況について、NCLは「通勤、子どもの学校への送迎、食料品の買い出しなど、あらゆる場面で交通安全は重要だ。革新的な安全技術を活用し、ドライバー教育を行い、自動車の設計、構造、性能を向上させることで、道路上の安全性を高めることができる」と指摘する。
主な提言はライドシェア業界のリコールの徹底、先進運転支援システム(ADAS)の標準搭載、車両盗難対策、スピード違反ドライバー対策、自動車関連のオンラインサイト対策など。
NCLによると、ライドシェアに使われる車両の約6台に1台がリコール対象車両で、乗客と運転手だけでなく、道路を使う一般人にも深刻な脅威をもたらしている。また、一部のADASは追加料金が必要だったり、他のサービスとのセットで高額販売されたりしており、命を救う技術を入手できない人も多いという。NCLは「安全を売り物にしてはいけない」と呼びかけている。