地域の見守りで消費者被害根絶を 埼玉県消費者大会で大野知事

今年で56回目となる埼玉県消費者大会が10月16日、オンライン開催され、挨拶に立った大野元裕知事は消費者被害の根絶に向けて消費者団体に協力を呼びかけた。特に高齢者と未成年者への見守り・啓発活動の重要性を強調し、地域関係者と連携して消費者被害防止サポーターの育成や消費者安全確保地域協議会の設置を進めていく考えを示した。

大野元裕知事挨拶

埼玉県消費者大会であいさつする大野知事。地域と連携して消費者被害の根絶を目指すと語った(16日、YouTubeライブ配信映像より)

昨年度の県内消費生活相談は5万件を超え、通信販売、マルチ商法、マルチまがい商法の苦情が増加していた。大野知事は「その多くがインターネットが舞台となっている。ウイズコロナ時代にネット商取引のさらなる進展が見込まれる中、不慣れな高齢者が姿の見えない相手に翻弄される状況が懸念される」と指摘した。

また、激変する社会環境の一つに民法改正による成年年齢引き下げを取り上げ、未成年者への被害防止活動の重要性を強調。「インターネット商取引では不慣れな未成年者がトラブルに巻き込まれる状況になっている」とし、重点的な啓発活動に取り組んでいくとした。

県は昨年度、全国第2位となる15件の行政処分を実施。大野知事は「県は悪質事業者を絶対に許さないという徹底した処分を行った。日頃、消費者問題に向き合っている消費者団体には被害根絶に向けた協力をお願いしたい」と呼びかけた。

同大会は県内23団体で作る実行委員会の主催。今回は午後の分科会を取り止めてコンパクト化し、オンラインライブ配信での開催にこぎつけた。会場には実行委員会団体のみが参加、ライブ配信では160人超が視聴した。各団体は今後、コロナ禍での新たな形の消費者運動を展開していくとしている。

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