高校・大学生が不当表示調査 「飲むだけ減量」など通報 埼玉

景品表示法に違反するあやしい広告を高校生と大学生が監視する2020年度埼玉県不当表示広告調査の結果が4月13日、公表された。学生らから「飲むだけで10キロ近く減量」、「たった5分で毛穴レス」など1198件の報告があり、このうち976件(81%)が不当表示のおそれがある事例だった。県は19事業者に文書による指導を行うとともに、調査結果を取りまとめた報告書を公表した。

不当表示広告調査は毎年実施しているもの。今回は高校生1031人(7校)と大学生167人(1大学)の計1198人が参加し、インターネットや新聞、折り込みチラシなどの媒体から不当表示とみられる1198件を県に通報した。

このうち976件(81%)が不当表示のおそれのある事例とみられ、内訳は「ダイエット関係」494件、「美容」228件、「筋肉増強」123件などの順。県は「こうした分野の不当表示のおそれのある広告が若者の身近に非常に多くある状況がうかがわれる」と報告した。

「みなさん例外なく『飲むだけで10キロ近く減量できた』」とうたうダイエット広告の表示について、事例を報告した学生は「絶対に例外なく飲むだけで10キロ痩せるなんてあり得ないと思った」と指摘。「たった5分で毛穴レス」とうたう美容広告を通報した学生は「毎日使い続けることで効果が出てくるものを、たった1日で効果を感じられるように書いていることは良くない」と指摘した。

そのほか、サプリメントの「飲んで2日で痛みが治った」、衛生用品の「口臭のもとをごっそり取り除く」などの事例が報告された。

調査に参加した高校からは「消費者の批判的意識を持たせる教材として高校生に適している」、「生徒にとって身近なSNS上で、溢れる情報の中に疑問を持ち、消費者として適切な判断をして意思・決定をするという演習の良い経験になった」などの感想が寄せられた。

この調査は高校生・大学生の消費者被害の未然防止につなげる狙いもあり、県は今年度も参加校を募集している。

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