デルタ株で国内航空停滞 豪当局は制限解除後の値上げを警戒

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)がまとめた最新の航空業界レポートによると、デルタ株感染の発生による渡航禁止や州をまたぐ移動制限の影響により、4月から7月にかけて国内便の利用者数が急落した。

9月29日に発表されたレポートによると、今年4月の国内便利用者数はパンデミック前の68%のレベルまで回復していたが、7月の利用者数はパンデミック前の23%の水準に急落。8月、9月はさらに低くなる見込みだという。

カンタス、ジェットスター、バージン、レックスの各航空会社は7月、3便に1便の割合で欠航を余儀なくされ、欠航率は昨年4月以降で最悪となった。ACCCのロッド・シムズ委員長は「デルタ株の発生が航空会社に大打撃を与え、パンデミック前の水準に近づき始めた回復を停止させた」とコメントした。

一方、航空業界は今後の見通しを楽観視しており、ワクチン接種率の向上と移動制限解除に伴うレジャー需要に期待を寄せている。シムズ委員長は「パンデミックで失われた利益を取り戻すため、航空会社が独占的な地位を利用して過剰な価格を設定した場合、ほかの業界の回復を妨げ、消費者と経済の両方に影響を及ぼす可能性がある」と警戒感を示し、引き続き業界を監視していくと強調した。

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