【豪州】プライバシーポリシー、完読に平均16分 最長は1時間

個人情報に関する取り扱い方針を明記した「プライバシーポリシー」について、豪州の消費者団体CHOICEが人気のアプリやウェブサイトを対象に調査を実施した。

75件を分析したところ、読み切るのに平均16分かかったほか、多くが難解で読みづらく、大学レベルの読解力が必要なケースも多かった。一方で短すぎて内容が不十分なものもあり、CHOICEは「プライバシーポリシーは明確で簡潔、読みやすいものでなければならない。消費者に専門用語満載の文章を長時間読ませることは不合理で非現実的だ」と指摘している。

CHOICEによると、75件のプライバシーポリシーをすべて読み切るのに合計約20時間かかった。文章の長さは平均4000語で、完読時間は平均16分。最長はマイクロソフトの「Live.com」(1万4861語)で59分15秒、最短は電車乗り換え案内アプリ「Tripview」は1分8秒。短いほど良いというわけではなく、「内容が不十分で個人情報がどのように収集・使用されているのかわからないケースがあった」という。

また、文章が難解で大学レベルの読解力が必要なものが全体の3分の1あり、ebay、Netflix、Google Pay、Airbnbなどがあげられた。CHOICEは自身のホームページのプライバシーポリシーについても評価しており、完読時間9分、中学生以上なら理解できる内容と判定した。

インターネット上のサービスを利用する際、消費者はプライバシーポリシーへの「同意」を求められるが、実際は読み飛ばして同意するケースが圧倒的。CHOICEは「プライバシーポリシーを通知して同意を求める仕組みは有用といえるが、同意しなければ使用できないという二者択一を消費者に迫らない形での規制が必要なのではないか」と問題を投げかけている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  2. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  3. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc
  4. 警察庁
    警察庁がまとめた生活経済事犯の検挙状況によると、2023年に全国の警察が摘発した特定商取引等事犯は前c
  5. 電話相談
    埼玉弁護士会と埼玉司法書士会は4月20日(土)と21日(日)に電話相談「敷金(賃貸住宅)トラブル11c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る