【豪州】自動車ローンの一部を後払い決済に 脱法スキームに警告

収入が足りずに自動車ローンが組めない消費者に対し、購入額の不足分を後払い決済(BNPL)ローンで支払わせるという脱法スキームが行われているとして、豪州の消費者団体CHOICEが警告を発した。CHOICEは地域の消費者団体と連携し、地方の消費者保護当局と意見交換しているという。

19歳・男性のケースでは、男性の返済能力に基づく自動車ローン額は1万7000豪ドル。購入希望の中古車は1万9500豪ドルだった。ローンが組めず、購入をあきらめた男性に対し、中古車ディーラーは不足分の2500豪ドルをBNPLローンで支払うよう提案。男性は希望通りの中古車を購入できたものの、支払い可能額の約2倍に相当する返済に追われ、行き詰ったという。

別のケースでは、4万豪ドルの2015年型ランドローバーディスカバリースポーツの購入希望者に、3万6000豪ドル分のローンを申請するよう提案。不足分の6000豪ドルはBNPLで支払うよう勧誘していた。購入額の一部を切り離してローンを通りやすくし、収入が届かない消費者に高額な中古車を売りつける手口だという。

こうしたケースについて、当局の担当弁護士も「責任ある貸付法を回避するためにBNPLローンが使われ、脆弱な消費者が重い債務に苦しんでいる。規制の網がかかる自動車ローンの必要額を軽くみせようとする手口だ」と認めているという。

CHOICEは「消費者の保護が図られていないBNPLに対し、クレジットカードと同様の強力な規制が必要だ」とし、法制化に向けた署名キャンペーンを展開するとともに中古車業界の取引慣行に警鐘を鳴らしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  2. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  3. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc
  4. 警察庁
    警察庁がまとめた生活経済事犯の検挙状況によると、2023年に全国の警察が摘発した特定商取引等事犯は前c
  5. 電話相談
    埼玉弁護士会と埼玉司法書士会は4月20日(土)と21日(日)に電話相談「敷金(賃貸住宅)トラブル11c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る