キャッシュレス決済比率、初の3割超え 経産省「堅調に上昇」

経済産業省が算出した2021年のキャッシュレス決済比率は前年比2.8ポイント増の32.5%となり、初めて30%を超えた。同省はキャッシュレス決済の利用拡大に取り組んでおり、現況について「堅調に上昇している」と分析。2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%にまで高めたい考えだ。

キャッシュレス決済比率は、各種キャッシュレス決済の支払い額を民間最終消費支出で割って算出したもの。21年は32.5%となり、その内訳はクレジットが27.7%、デビットが0.92%、電子マネーが2.0%、コード決済が1.8%だった。

10年前の2011年(14.1%)から2.3倍に拡大し、右肩上がりに上昇中。また、直近3年間は前年比2.7~2.9ポイントと高い伸びを示していた。しかし、世界に目を転じると、韓国が94.7%と突出し、豪州59.0%、英国57.0%、米国47.0%など主要各国では40%~60%台となっていた(キャッシュレス推進協議会調べ)。

キャッシュレス決済はレジ作業の時短、現金取り扱いの手間削減、接触機会の削減など事業者・消費者双方にメリットがあるが、店側から「加盟店手数料の負担が重い」「入金サイクルが長い」、消費者側から「無駄遣いしそうで不安」「個人情報流出などセキュリティに不安」「不正利用や悪用が不安」などの声があがっており、利用をためらう一定の層に向けた環境整備と不安解消が課題として浮上している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. アンケート調査
    2020年7月のレジ袋有料化から5年が過ぎたことから、NPO法人コンシューマーズ京都(京都消団連)はc
  2. 東京都消費生活総合センター
    東京都と都内消費者団体が連携して開催する「くらしフェスタ東京2025」の詳細が決まった。今年度のテーc
  3. 主婦連合会
    食品の相次ぐ値上げなど物価高が止まらない中、主婦連合会は9月10日、物価高対策の速やかな実施を求めるc
  4. アメリカ消費者連盟(CFA)は9月11日、米国の消費者が抱える1兆6600億ドルの自動車ローンが限界c
  5. 糖質カット炊飯器
    ◎注目される控訴審の行方と今後の影響 糖質カット炊飯器の表示をめぐり、東京地裁は7月25日、消費者c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る